日帰り白内障手術

白内障の日帰り手術

近年は、医療技術や手術室環境の向上により、白内障手術は日帰りで安全に受けられるようになりました。

当院では、皆さまのご希望や状況に応じて両眼同時手術にも対応しております。

手術は院長および総症例数30,000件※以上執刀している経験豊富で熟練したスキルを持つ総合病院勤務の医師が執刀します。(※2024年4月時点)

また術前検査から術後まで院長が丁寧に経過を拝見いたします。

 

国内では年間約140万件以上の白内障手術が行われており、手法が確立された手術です。混濁した水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを挿入するのが一般的です。

 

白内障の手術は手術時間が短く、簡単な手術であると思われがちですが、白内障の程度や病状によって異なり、手術の合併症によって重篤な視力障害を生じる場合もありますので、術前に十分にご相談して決める必要があります。

 

白内障は加齢に伴い誰にでも発症する病気ですので、まずはご相談ください。眼内レンズは原則として交換が必要なく、生涯そのままお使いいただけます。

 

当院では、安全性や術後の快適な見え方に細かく配慮し、質の高い白内障手術を提供できるよう日々励んでおります。

両眼同時手術について

両眼同時手術には、片眼ずつ行う手術と比較してそれぞれにメリット・デメリットがあります。最適な選択をご提案するため、以下の特徴をご参考にしてください。 

白内障手術は片眼ずつ行うのが一般的

片眼ずつの手術が主流だった背景には、初期の白内障手術において安全性が十分に確立されていなかったことが挙げられます。

万が一、合併症が生じても、もう一方の目で日常生活を続けることができるという利点があり、現在でも片眼ずつ行うことが一般的です。 

両眼同時手術のメリット

  • 通院負担の軽減、早期の社会復帰

手術後の1週間は、感染などの重大な合併症を見逃さないよう、こまめに受診が必要です。また、創口からの感染リスクを避けるため、洗顔や入浴などの日常生活に一時的な制限があります。

片眼ずつ手術を行う場合、両眼の回復までに2回の制限期間が発生し、通院負担も大きく感じられる場合があります。

両眼同時手術では両眼を同時に経過観察することで通院回数を抑え、回復期間を1回で済ませられるため、日常生活やお仕事への復帰がスムーズです。

  • 左右の見え方のバランスが取りやすい

片眼ずつ手術を行うと、片方は術後、もう片方は術前の状態となり、左右の見え方の差が生じてバランスが悪くなることがあります。

両眼同時手術の場合、手術直後は両目ともぼんやりとした状態となりますが、翌日から左右のバランスが整いやすく、生活への適応が早まることが期待されます。 

両眼同時手術のデメリット

  • 両眼に合併症を生じるリスク

万が一、合併症が生じた場合、片眼ずつ手術するよりも生活への影響が大きくなる可能性があります。

  • レンズ選択の微調整ができない

片眼ずつの手術であれば、先に手術した目の見え方を確認してから、もう片方のレンズを調整することができる可能性があります。

両眼同時手術では、この調整が行えません。

    • 手術直後の生活に注意

    手術直後は両眼とも視界がぼんやりとすることがあり、帰宅時に危険を伴う可能性があるため、タクシーあるいは付き添いの方のお車での帰宅をお願いしています。

手術方法

      • 目の周りを消毒し、局所麻酔をします。
      • 角膜を2~3mm切開します。
      • 濁った水晶体を超音波で砕いて吸い出します。
      • 水晶体の代わりとなる眼内レンズを挿入します。
    1. 標準的な手術の所要時間は10分程度で、痛みを強く感じる方には局所麻酔を追加しつつ、痛みに配慮しながら行います。

ただし、非常に進行した白内障やもともと水晶体を支える組織が弱い眼では、別の手術方法が選択され、時間を要することがあります。

術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)

IFISとは

白内障手術では、瞳孔(一般的に「黒目・茶目」と呼ばれる部分)を大きく開いて手術を行います。しかし、一部の患者さんでは手術中に以下のようなことが起こることがあり、手術の難易度やリスクが高くなります。

    • 虹彩が柔らかくなり、水流によって動きやすくなる
    • 手術中に瞳孔が徐々に小さくなる
    • 虹彩が手術の切開部分から外に出やすくなる

術前に確実に予測することは困難ですが、事前にリスクを把握できればより安全に手術を進められます。

αブロッカーについて

以下の薬(αブロッカー)を服用しているとIFISを生じやすいことが知られておりますが、薬の中止によって改善するものではありません。

そのため、服用を中止する必要はなく、そのまま継続していただいて問題ありませんが、診察時に薬剤情報をご提示いただくようお願いいたします。

  • 前立腺肥大症のお薬

タムスロシン塩酸塩(ハルナールD錠)、ナフトピジル(フリバス錠)、シロドシン(ユリーフ錠)、ウラピジル(エブランチルカプセル)

  • 高血圧症のお薬
  • ドキサゾシンメシル酸塩(カルデナリン錠)、ブナゾシン塩酸塩(デタントール錠)、ラベタロール塩酸塩(トランデート錠)、プラゾシン塩酸塩(ミニプレス錠)
  • その他の病気に使われるお薬
  • パリペリドン(インヴェガ錠、ゼプリオン水懸濁注)、リスペリドン(リスパダール錠・内用液など)、ブナゾシン塩酸塩(デタントール点眼液)

眼内レンズについて

  1. 眼内レンズには様々な種類があり、ライフスタイルや術後の見え方に対するご希望に合わせて選択いただけます。
  2. 当院では高度な乱視を矯正するトーリックレンズにも対応しております。(術後に回旋した際には再手術が必要です。) 
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  • 趣味や仕事のために手元はしっかり見えるようにしたい
  • 運転をする機会が多いので遠くがよく見える方がいい

など、皆さまのご希望は異なりますが、原則として元々の見え方に近づけることをお勧めしております。眼内レンズは試しに入れてみるということができないため、事前にしっかり相談してメリットやデメリットを理解した上で選ぶことが重要です。

術前に執刀医よりわかりやすく丁寧にご説明いたしますので、不安や疑問に感じる点がありましたらお気軽にお尋ねください。

    1. 当院ではピントの合う距離が1つの単焦点眼内レンズを取り扱っております。
      ピントの合わない距離にあるものを見る際には眼鏡をかける必要がありますが、眼鏡をかけることが苦にならない方、見え方の質にこだわり、きれいに見たい方には適しています。
      • ピントが合う距離を遠くに合わせた場合、近くを見るためには眼鏡が必要になります。
      • ピントが合う距離を近くに合わせた場合、遠くを見るためには眼鏡が必要になります。
  1. 多焦点レンズは適さない方もいらっしゃいますが、ご希望があり適応の可能性がある場合には取り扱い施設をご紹介させていただきますので、担当医とよくご相談のうえでご検討ください。

白内障手術の流れ

Step1診察と一般検査

白内障の状態を確認し、他の眼疾患がないかを調べるために瞳孔を開いて一般検査を行います。日常生活のご様子などを伺いつつ、手術が必要かどうかを判断します。

Step2手術日程の決定

一般検査で日帰り手術に支障なく、手術をご希望されましたら手術日程をご案内いたします。挿入する眼内レンズの種類、裸眼で見たい距離感(遠く、中間、近く)を術前に決定します。原則としては元々の見え方に近づけることをお勧めしております。日程や距離感につきましてはご自宅で改めてご検討いただくことも可能です。

Step3術前検査

術前検査では角膜内皮細胞検査、眼軸長などの測定や血液検査で感染症の有無などを判断いたします。手術の内容や注意点、術後の検診スケジュールに関して、ご不明点をお伺いしつつご説明いたします。眼内レンズにつきましてもメリットやデメリット、費用などをご説明のうえ決定いたします。

  • ソフトのコンタクトレンズは3日前から中止してください。
  • ハードのコンタクトレンズは1週間前から中止してください。

Step4手術

ご予約された手術日にご来院いただき、手術を行います。術後の状態を確認し、問題がなければ保護メガネをつけてご帰宅となります。

  • ご自宅で散瞳薬を点眼してからご来院いただきます。
  • 他の病院で処方されているお薬はいつも通り飲んでください。

Step5術後の検診

  • 手術後は翌日、3~4日後、1週間後にはご来院いただき特に慎重に経過観察いたします。
  • 入浴やメイク、お仕事、スポーツ、飲酒などに制限がありますので、医師の指示を守ってお過ごしください。
  • 以降も経過に応じて半年間程度の経過観察をさせて頂きます。

 

白内障手術の注意点

  • 手術当日は来院される前に入浴、洗顔を済ませていただき、予約時間までに来院してください。
  • 術後1週間は日中、夜間ともにメオガード(保護メガネ)または眼帯をつけます。
  • 翌日から、首から下のシャワー浴を行うことができます。
  • 洗髪をする際は、ドライシャンプーや美容院などで顔に水がかからないように行ってください。
  • 1週間後から、通常通り、洗顔と洗髪を行うことができます。
  • 術後1週間はたばこ、運転、激しい運動、重い物を持つことを控えてください。

白内障手術の費用

単焦点眼内レンズの費用

検査、手術費用、眼内レンズも含め、ほとんどが保険診療の対象です。
自己負担額は、年齢や所得に応じて1~3割となります。

片眼
1割負担 上限額 8,000円~18,000円の範囲まで
2割負担 上限額 18,000円まで
3割負担 約45,000円

高額療養費制度

白内障に限らず、すべての保険医療において「高額療養費制度」という、医療費が高額になった場合に還付を受けられる制度があります。この制度は、同じ月にひとつの医療機関で支払った医療自己負担額が一定額を超えた場合、超過分を返還してくれるものです。

しかし、あとから払い戻されるとはいえ、一時的な支払いは大きな負担になります。

当院はオンライン資格確認を導入しておりますので、来院時にマイナ保険証(保険証利用登録を行ったマイナンバーカード)をご提示いただき、「限度額情報の表示」に同意いただくと、1ヵ月(1日から月末まで)の窓口でのお支払いが自己負担限度額まで(※)となります。

※同月に入院や外来など複数受診がある場合は、高額療養費の申請が必要となることがあります。また保険外負担分は対象外となります。

 

70歳以上の方で自己負担の割合が1~2割の場合、ひと月あたりの自己負担上限額は18,000円です。自己負担上限額は年齢や所得などで異なりますので、国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合など、ご自身の保険者にお問合せください。

手術給付金について

民間の生命保険や医療保険、かんぽ生命などにおいて、白内障手術は「手術給付金」の給付対象となっている場合が多いです。ご加入の保険会社にお問い合わせ下さい。

TEL.042-850-5601 24時間WEB予約
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